アメリカの小児科学会(*1 American Academy of Pediatrics:AAP)は、研究の成果としての、「7つの大きな成果」、の第2に「あおむけ寝に戻してSIDS(突然死症候群による死亡)を減少させたこと」を上げています。 アメリカの小児科学会のホームページの該当記事を参考に翻訳してみました。(便宜のために弊社にて翻訳したものですので、厳密にはAAPの原文をご確認ください。)
「>1.生命を救う予防接種による病気の予防」に続いて掲載をします。
小児科研究における7つの大きな成果
子供たちは、病気、遺伝病、および環境の影響から、想像以上の受け入れ難い難題に直面しています。
小児科の研究は子供たちの健康に劇的な変化をもたらしました。
- 生命を救う予防接種による病気の予防
- あおむけ寝に戻してSIDS(突然死症候群による死亡)を減らす
- 一般的な小児がんの治療
- 呼吸を助けることによって早産児を助ける
- 母親から赤ちゃんへのHIV感染の予防
- 慢性疾患を持つ小児の寿命を延ばす
- カーシートとシートベルトの使用で命を救う
2.あおむけ寝に戻してSIDS(乳幼児突然死症候群による死亡)を減らす
Problem(問題)
乳幼児突然死症候群(SIDS: Sudden infant death syndrome)は、crib death(ベッド死)とも呼ばれ、警告なく発生し、睡眠している間に関連しています。
SIDSと診断されるのは、死後の完全な調査の後、乳児の死亡についての説明が見つからない場合に行われます。
SIDSは、生後1ヵ月から1才までの乳児の主要死因です。 1993年だけでも、約4,700人の米国乳児がSIDSで死亡しました。
Discovery(発見)
乳児がうつぶせで寝ると、SIDSで死亡するリスクは少なくとも2倍増加することが、研究で判明しました。
Outcome(結果)
その結果を受けて、1994年には、「Back-to-Sleep(あおむけ寝に戻そう)」キャンペーンが国立小児保健発達研究所(the National Institute of Child Health and Development)、米国小児科学会(AAP)、米国保健福祉省健康資源管理局母子保健局(the Maternal and Child Health Bureau of the Health Resources and Services Administration)とSIDSグループの協働によってはじめられました。
このキャンペーンの目的は、SIDSのリスクを減らすために、両親へ赤ちゃんを仰向けに寝かせることを勧めることでした。
米国小児科学会のSIDS班は、2005年に、すべての幼児に「あおむけ寝(Back-to-Sleep)」の実践を奨励する政策声明を発表しました。
調査によると、1993年から2010年にかけて、あおむけに寝かされている乳児の割合は、17%から73%に増加しました。
「あおむけ寝に戻そう(Back-to-Sleep)」キャンペーンの開始後、SIDSで死亡した幼児の数は、1993年の4,700人から2010年に2,063人に減少しました。
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